認知科学による動画マーケティング(3)

■「ゲーミフィケーション」の2つの意味

ゲームによって感動や喜びを創るノウハウをあらゆるビジネス領域に応用しようとするメソッドが「ゲーミフィケーション」と称して注目されるようになってきています。 消費者(顧客)にいかに新しい消費経験の価値を与えるかは今やサービス重視の戦略の柱だからです。

その新しい経験価値としての「ゲーミフィケーション」は、次の2つのタイプに分類しておくことが重要だと私は考えています。

1)一般的な消費者の行動や購買ルールについて、ゲームを用いて「ゲーム外化」するもの
2)ゲーム行動の領域の中に消費者の行動を取り込んで「ゲーム内化」するもの

この2つは結果が同じようなゲーム的要素を持つとしても、その発生の仕方が逆方向であるものです。 以下にこの2つの仮説モデルを使って事例分析をしてみましょう。

「ゲーム外化」という場合の“外化”という意味は、最初に「ゲーム在りき」ではなくて、サービスや商品を売る仕組みがあって、それを軸にしながら「ゲーム的経験」を創っていくものです。
これが一般的な「ゲーミフィケーション」であり、いかにして通常の購買や消費サービスの中にゲーム機能を取り入れた経験を創るのか、ということが課題となります。ランク付けやポイント制などのゲーム機能を通常の消費行動に追加していくイメージです。

たとえば、「フォースクエア」と呼ばれる観光地でのGPS情報を利用した宝探しゲームがあります。商店街などで単に個別のブランドをアピールしても 買う動機にはつながりません。そこで、「宝探し」というゲームとして各商店の商品をモバイルで探し出し、競わせることで新たな発見や競争の楽しみを与える ことができるのです。

ゲーム自体は既存の宝探しというルールに沿うものですが、その場所が観光地であり、モノが商店街の商品となるならビジネス価値が発生するわけです。ただし、ここで何が顧客にとっての価値となるか、マーケティングとして仮説検証する必要があります。

同じような商品であっても、ゲームの場でより活きるような商品もあれば、無意味なものもあります。その比較や前提の検証といったことがマーケティングとして行われなければ、せっかくのフォースクエア利用もただの遊びと化してしまうのです。

フォースクエアには、ネットとリアルの場との連携が不可欠になる要素が豊富にあり、その意味では時間と空間(地理)の情報を紐付けしたビジネスモデルの宝庫ともなるものです。

takumi の紹介

氏名:匠 英一(たくみ えいいち:Takumi Eiichi) 役職:デジタルハリウッド大学 デジタルコミュニケーション学部 教授     eマーケティング協会 専務理事     日本ビジネス心理学会 副会長     (有)認知科学研究所 所長 連絡:携帯 takuei@netlaputa.ne.jp
カテゴリー: 認知科学によるマーケティング発想   パーマリンク

Comments are closed.